エラ病・尾腐れ病の正体・ギロダクチルス&ダクチロギルス症


ギルワーム、単生吸虫症などと呼ばれる。

非細菌性エラ病の原因となる代表的な原虫でもある…。というより、いわゆる細菌性のエラ病はフレキシバクター・カラムナリスという細菌が原因とされているが、そもそも、こういうギロダクの様な原虫に寄生される事で生じる傷に細菌感染を引き起こすのであって、ディスカスや鯉など体力のある中大型の魚達では非細菌性エラ病とされ(多くの寄生を受け細菌感染を引き起こす事も当然ある)、小さな魚達では二次感染を引き起こし、「細菌性のエラ病」として大きな被害が生じる。


エラ病・尾腐れ病の正体・ギロダクチルス&ダクチロギルス症・熱帯魚【熱帯魚の飼い方・飼育方】
ギロダク&ダクチロ等の外部寄生虫に因る外傷が、エラ病や尾ぐされ病を始めとする様々な細菌性疾病を引き起こす原因と成っています。

写真で止めているものを見ているからこそ確認できますが、動いている小さな魚達を観察しても、こういう極小の寄生虫を確認するのは極めて困難です…。(だからこそ人知れず蔓延していて様々な不調の原因となっている。)

エラ病・尾腐れ病の正体・ギロダクチルス&ダクチロギルス症・熱帯魚【熱帯魚の飼い方・飼育方】
古代魚のポリプテルスに、しばしば寄生している"マクロギロダクチルス・ポリプテリィ"以外では、肉眼ではっきり確認できるほどの大きな虫体は珍しい(?)。

写真は拡大してあるので分かりやすいのですが、実際の魚は全長3cm強の大きさでしかありません。人間の目で確認し難い様なサイズの寄生虫とはいえ、小さな魚達にとって、その影響は計り知れないほど大きいのです。
エラ病・尾腐れ病の正体・ギロダクチルス&ダクチロギルス症・熱帯魚【熱帯魚の飼い方・飼育方】
エラ病・尾腐れ病の正体・ギロダクチルス&ダクチロギルス症・熱帯魚【熱帯魚の飼い方・飼育方】
エラ病・尾腐れ病の正体・ギロダクチルス&ダクチロギルス症・熱帯魚【熱帯魚の飼い方・飼育方】
入荷直後のwildダイヤモンドテトラ(ヒレ周辺に注目)・ギロダク&ダクチロの仔虫が寄生していると考えられる‥一般的には、あっという間に尾ぐされ病に進行してしまう…。

少し奥歯にモノの挟まった様な言い方で恐縮ですが、尾ぐされ病の原因菌が成長できないように条件を整えて、初めてギロダク&ダクチロを観察できる、と言えるほど一般の方達に知られる事はない。余りに虫体が小さいので観察も難しければ、すぐに細菌性の二次感染を引き起こし、その対処に追われるのが現実だろう。

エラ病・尾腐れ病の正体・ギロダクチルス&ダクチロギルス症・熱帯魚【熱帯魚の飼い方・飼育方】
吸虫性エラ病‥魚は 『 ラム 』 ‥眼球の端から下に線を降ろせば、より判りやすい‥

判りやすいように線を入れています。左右のエラの膨らみが違うのにお気づきでしょうか?
しばしばディスカス等で問題にされる『吸虫性エラ病』は他の魚達にも共通して起こりえる。ただ、それを問題にする以前に魚達を死なせてしまっていたりと、問題にされていない事が現状を表している、と言えなくもない。体力で劣る小さい魚達では尚更だ。様々な薬品や多量の換水に耐えられるディスカス等は、『 非常に丈夫な魚種 』 とも言える。いかに世間一般の常識が間違っているか、お解り頂けますか?


エラめくれ
実は、このギロダク&ダクチロが、アロワナに代表される大型魚や金魚で、しばしば問題にされる  『 エラめくれ 』 の 『 本当の原因 』 と考えられるのです。

大きな魚達はその体力ゆえに、それ程、一般的な 『 病気 』 には罹らないと言えるでしょう。

ですが、閉ざされた水槽というイレモノの中ではギロダク&ダクチロ等の外部寄生虫などに重ねて寄生を受けてしまい、寄生刺激から生体防御反応として粘液を多く分泌したり、粘膜が増生される訳です。

例えば、私たち人間では、力仕事をされている方達の手のひら ( 表皮・角質 ) が分厚く成っているワケですが、外からの ( 物理的な ) 刺激により細胞レベルで破壊されるので、防御反応として細胞分裂を盛んに繰り返し、結果として、手の皮が厚くなっていますよね。

一方、魚達では、水をかいて進むので、寄生虫に生えている二本のトゲが切っ先である吻部 ( くち ) やヒレ、呼吸のため水の通り道となるエラ等に引っ掛かり寄生されることが多く、その外部寄生虫による小さな傷口が様々な細菌感染の切っ掛けに成ったり、体力に勝る大きな魚達では病気とまでは進まないにせよ、粘膜が増生されたりして様々な問題を生じているのです。

ところで、二昔以上前から熱帯魚を飼育している方達にはお馴染みであるバイメタル式のサーモスタットですが、その心臓部である 『 バイメタル 』 の構造を御存じでしょうか? 熱による伸縮率が異なる二つの合金を貼り合わせる事で、温度変化に伴い、曲がる性質を持っています。

カンの良い方は、もうお解りですよね。ウロコで保護されている外側に比べ、エラの内側にある粘膜にギロダク&ダクチロなどの外部寄生虫に寄生され、その刺激から細胞分裂を盛んに行う事になり、粘膜の増生を生じ、内と外のバランスが崩れ、エラぶたの反り返りに繋がるのではないでしょうか?

ですから、外部寄生虫などへの対策を施した水槽では見られないし、対策をしさえすれば発症後でも時間は掛かりますが治りますよね?

何故かって?力仕事をしなくなれば時間と共に手の皮も薄くなるでしょ?寄生虫を抑制することで寄生刺激を取り除いてあげれば、自らの細胞でも必要の無くなったモノは壊される、という仕組み ( アポトーシス ) を私達や魚達も持っているのです。反対に、寄生虫に対処を施さなければ、エラぶたを切り取る、といった外科的な対策も、いずれ無駄になる可能性を否定できません。

頭を振るなど、大型魚独特の行動で成るですって?そりゃ、寄生虫が着いてるからこその行動であって、切っ掛けには成るかもしれないが私には少し理解できない現象ですね。『 エラ洗い 』 は寄生虫を除ける為の意味もある行動だそうですので、寄生虫の存在が最も原因と成り得るのではないでしょうか。


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